にく

地上最大のショウのにくのレビュー・感想・評価

地上最大のショウ(1952年製作の映画)
4.5
セシル・B・デミル『地上最大のショウ』(52)。映画が作られたのはこちらの方が大分後だが、『ダンボ』(41)のサーカス描写の直接的モデルになったベイリー&バーナム・サーカス(1907年にリングリング・ブラザーズが買収)の様子(サーカス列車、テント設営、象のショー等々)を知ることができる。
 台詞によると、列車で移動する関係者は1400人という大所帯。テント設営にはアフリカ系の人々が数多く動員されており、象も実際に労働力として使われている。サーカスの観客は見事なまでに「白人」だけで、アイスやポップコーンを片手に演目に見入る彼らを写すショットはある種その生態の記録と見える。
 サーカスの終盤に大テント内のトラックを出演者たちが象や馬車に乗ってパレードする様子はディズニーランドのエレクトリカルパレードを想起させる。実際にディズニー公認らしい着ぐるみミッキーマウス、ドナルドダックらも登場する。ディズニーランドがカリフォルニアにできるのはこの3年後のことだ。
 ディズニーランドは(有馬哲夫が言うように)かつて「大衆娯楽としての王様」だったサーカスの後継である。施設が移動することはなくなったが、また本当の動物はいなくなったが『ダンボ』にまつわるアトラクション(空飛ぶダンボ、日本にはないサーカス列車ケイシーJr.)にその名残は留められている。
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