サトタカ

コントロールのサトタカのネタバレレビュー・内容・結末

コントロール(2007年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

伝説のバンドの再現映画は演じる役者が本人にどれだけ似ているかが問題になる。ま、多少似ていなくても雰囲気が近いとか、かなりカッコ良くなっているからこれはこれでいいかというレベルの作品が多いように思う。
デヴィッド•ボウイをモデルにした「ベルベット•ゴールドマイン」、ニルヴァーナのリーダーであるカート•コバーンを描いたガス•ヴァン•サント監督の「ラストデイズ」などはそんな感じだった。
しかしポストパンクの大御所バンド、ジョイ・ディビジョンの結成から解散までを描くこの作品はこれらとはレベルが全く違う。何しろジョイ•ディビジョンのボーカル、イアン・カーティスを演じたサム・ライリーは遠目には瓜二つ、身長も一緒なのだ。カーティスの奥さんや愛人、バーナードサムナーをはじめとするバンドのメンバーまでほぼほぼそっくり。おまけにバンドは実際に演奏まで本物そっくりに行っているっぽい。スゴすぎる。
彼らの楽曲と同じように鬱々としたこのモノクロ映画。カメラマン出身のアントン•コービンが監督をした(これが監督デビュー作)ため、構図やライティングのクオリティは非常に高い。映画に使われている楽曲もセンスが素晴らしい。
当時彼らより人気があったバズコックスや、バンドを始めるきっかけとなったセックス•ピストルズ、イアン•カーティスがファンだったデヴィッド•ボウイやイギーポップ、ルー•リードがいたヴェルヴェット•アンダーグラウンドなどなど。本当に本当に最高。

ボーカルを失ったメンバーは新バンド「ニュー•オーダー」を結成する。
イアンの自殺を歌った曲「ブルー•マンデー」は大ヒットとなる。
ジョイ•ディヴィジョンというバンドもイアンの自殺によって注目が集まり人気が高まるという皮肉な結果となった。
頑張ってアメリカツアーをやって、バンドを続けていたら、少なくても経済的にはずっとよくなっていたはずなのに…。
どうでもいいけどイアン•カーティスが愛用していたVOXのファントム。変態ギターでかっこいいよなー(笑)。欲しい。
サトタカ

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