ある日プリンストン大の人からジャケットを借りたリプリーが嘘を重ねて堕ちていく犯人視点のスリラー
filmarksの評価は低いが、傑作
「太陽がいっぱい」というパトリシア・ハイスミスの作品の2度目の映画化だそうで、続編に「リプリーズ・ゲーム」というのがあるそう
自分の嘘を自分で本当のことだと思い込むリプリー症候群という症状の名前の由来にもなったそう
主人公リプリーのマット・デイモンや御曹司ディッキーのジュード・ロウ、リプリーで初めてディッキーの名を名乗ったメレディスのケイト・ウィンストン、ディッキーの恋人マージグウィネス・パルトローなど今や大物になった人たちの若かりし頃が見られる
リプリー自身に嘘をつくことになった要因として同性愛というものがあると推測できるのも、キャラクターの作り込みの凄さから来ており、映画に描かれていない過去の彼の人生が想像できるような気がした
冒頭のモノローグでハッピーエンドではないんだろうと思いはしつつ、どういう展開で終わるのかは予想がつかず最後まで楽しめた
両想いになり幸せを掴めそうだったリプリーが、自身の秘密の重さと自己保身から自ら手放したラスト含め、やってることは知能犯な行動にも関わらず弱さを感じるリプリーの人間らしさがしっかり描かれている
その弱さが表現していたからこそ主人公を応援したくなる
かなり心情描写に凝っており、リプリーという人柄を表現した脚本とマット・デイモンに拍手を送りたい
嘘は一回つくと嘘を重ねないとあかんからしんどいよというのを一番実感できる作品
一応後日談もあるそうだが、この終わり方だからこその哀愁という気がするので、気になるけど観たくないという気持ちになる