埼玉に住むクルド人が難民申請が認められなくなりビザも切れたことで、生活が一変する日本の見えづらいリアルがわかる話
最近クルド人の話題がSNSに上がることがおおいが、彼らの日本における現状や国の制度の妥当性みたいなことを考えさせられる作品
特に印象的なシーンは度々出てくる洗面台のシーンで、序盤は日本により馴染もうとするためにストレートアイロンをかけたり気にかけるが、後半では徐々にその余裕がなくなる感じが伝わり、主人公の状況の変化が如実に伝わる
日本で難民申請がスムーズに行かない理由として就業目的に取る人を省くためであったり内乱が理由での難民を受け付けていないといったようなことがあるとのことで、単純に解決できる話でもないんだろうなと思いつつ、何とか真面目な人は報われる世界になってほしいと感じた
また、差別とまでは行かなくても容姿から日本人じゃないと見做されて接しられるのは、自分は日本人だと思ってても疎外感を感じるというのはどうにか我々の色眼鏡をなくして接することはできないものだろうかと自分の行動を振り返りたいと思う
さらにパパ活のシーンでもあるようにサーリャはそっちに行かなかったが、実際にそっちの道に走ってしまう人もいるのだろうと思うとセーフティネットが機能してないことがわかり、胸が苦しくなる
あと嵐莉奈演じるサーリャがめちゃくちゃ可愛い
男の子との恋愛模様も微笑ましいが、現実が邪魔をするのが世知辛い
ラストでは、途中で意味がないと拒否していた神頼みをしそうになる程追い詰められるも、ちゃんと生きていくという強い意志を感じられる目をしていてハッピーエンドではないながらもまだ彼女なら大丈夫という前向きさを感じられる終わり方だった