【東京でひとり暮らしを始めた女子学生の、ある〝不純な動機〟と小さな冒険の日々。】
四月にある秘密を持って大学進学で上京する女の子の物語。
YouTubeで限定公開されていたので、せっかくだから4月に鑑賞。
45分という上映時間いっぱい、岩井俊二が松たか子で撮りたかった絵を撮った美しいシーンばかりの映画。
四月独特のはじまりの季節の空気を、画面に目一杯収めてる絵は観ていて気持ち良い。
特に物語があるわけでもないけれど、短い時間映画(映像)に引き込ませる絵作りはさすが。
岩井俊二も(先日観た『シン・仮面ライダー』の庵野秀明も)撮りたい絵ありきで物語が進んでいると思うけど、少女漫画的な物語を浮かび上がらせる絵が、どれも本当に息を呑むほど美しい。
松たか子の愛くるしい(そこまで思い入れがあるわけじゃないけど)瞬間がフィルムに収められている。
この映画は岩井俊二の少女漫画的な趣味と、篠田昇さんのカメラと、松たか子の1番愛くるしい時期が、ピタリと奇跡のようにハマった美しい映画だった。