ことのは

四月物語のことのはのレビュー・感想・評価

四月物語(1998年製作の映画)
3.5
【東京でひとり暮らしを始めた女子学生の、ある〝不純な動機〟と小さな冒険の日々。】

四月にある秘密を持って大学進学で上京する女の子の物語。

YouTubeで限定公開されていたので、せっかくだから4月に鑑賞。

45分という上映時間いっぱい、岩井俊二が松たか子で撮りたかった絵を撮った美しいシーンばかりの映画。

四月独特のはじまりの季節の空気を、画面に目一杯収めてる絵は観ていて気持ち良い。
特に物語があるわけでもないけれど、短い時間映画(映像)に引き込ませる絵作りはさすが。

岩井俊二も(先日観た『シン・仮面ライダー』の庵野秀明も)撮りたい絵ありきで物語が進んでいると思うけど、少女漫画的な物語を浮かび上がらせる絵が、どれも本当に息を呑むほど美しい。
松たか子の愛くるしい(そこまで思い入れがあるわけじゃないけど)瞬間がフィルムに収められている。

この映画は岩井俊二の少女漫画的な趣味と、篠田昇さんのカメラと、松たか子の1番愛くるしい時期が、ピタリと奇跡のようにハマった美しい映画だった。
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