サーフ

キャバレーのサーフのレビュー・感想・評価

キャバレー(1972年製作の映画)
4.1
非常に良い映画だったけど、この映画アカデミー賞で8部門で賞獲得してるのは後から知った。

舞台は1931年のベルリン。イギリスからやってきた学生ブライアンは下宿先で暮らしていたキャバレーで働くサリーと出会う。
自由奔放な性格のサリーに最初は友人として付き合っていたブライアンだったが次第にサリーに抱く感情が恋心へと変わっていく。
そんな状況の中でサリーはマックスというプレイボーイで裕福、男爵という爵位まで持ってる男と出会ってしまう。ブライアンを横目にサリーはマックスとの仲を深めていく。そして同じ頃、ドイツにナチ党の勢いが増していた…と言うのが大まかなストーリー。

ミュージックシーンも勿論素晴らしいけど、登場するキャラクター達の心の機微の描写が凄く良かった。
思いを寄せる女性の前にライバルが現れて彼らの関係性に思い乱れる人が居たり、ナチ党の台頭により次第に立場が危うくなる男女の恋愛感情と変わりゆく情勢で思い悩む姿だったり、男女の心の揺れ動きの描写が凄く良い。

その中でもサリー役のライザ・ミネリの演技が極めて印象的。自由奔放に生きている彼女の中にも存在する苦悩と葛藤。キャバレーでヴォードヴィリアンとして生きる彼女と1人の女性として生きる彼女、2つの間で揺れ動く感情が「ナチスのユダヤ人迫害」という次第にシリアスになっていく状況の中で物語においてより存在感が放っているように感じた。
後、ミュージカル映画としてのパフォーマンスも素晴らしい。めちゃくちゃ歌上手いな。
サーフ

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