青二歳

キャバレーの青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

キャバレー(1972年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ショービズ映画では別格。
"道化"がショービジネスの舞台で世相を写す。道化だけが本質を見せることを許される。
(とはいえボブ・フォッシーは舞台畑の人だけあってショービジネス万歳で片すことなく、ちゃんと"浮草"として描いてくれる。だから王権交代の度に殺される"道化"たちの危うさも浮彫りになる。まぁあの司会はその辺りしたたかそうだけど。笑)

ケチつける点があるとすれば、ナチ青年部が歌うのだけはドイツ語でやってほしかった…全編ほぼ英語だったな…

とはいえ、ヴィスコンティの"地獄に堕ちた勇者ども"よりファシズムの台頭の薄気味悪さが際立つ。
ファシズムが世を席巻していく昂揚感と、浮草暮らしでまだ社会資本を築けていない若者たちの足元の覚束なさがレイヤーとして重なっていく。
ボブ・フォッシー傑作のミュージカル映画。
青二歳

青二歳