福福吉吉

マッドマックス2の福福吉吉のレビュー・感想・評価

マッドマックス2(1981年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
戦争により文明が滅び、世界は荒廃して凶悪な暴走族が跋扈していた。家族を失ったマックスはガソリンを求めてあてもなく彷徨っていた。やがて、マックスは石油精製所を守る人々とヒューマンガス率いる暴走族の抗争に遭遇する。マックスは負傷した精製所の男を運んで、精製所の中に入ることに成功するが...。

◆感想◆
「マッドマックス」シリーズの第2作目となり、文明が滅んだ後のディストピア的な世界観が特徴となる作品となっています。

主人公は前作から引き続きマックス(メル・ギブソン)であり、家族を失って以来、犬を相棒に自動車で彷徨っており、ただひたすらにガソリンを求めるだけで生きる目的を失っているように見えました。マックスはオートジャイロ(小さいヘリコプター)乗りの男(ブルース・スペンス)に出会い、その男から石油精製所のことを聞き、ガソリンを求めて近づこうと画策します。一連のシーンからマックスに特に正義感や親切心はなく、あくまで自分の欲望を満たすために動いていることが分かりました。

ジャイロの男はかなり調子のよい人物で、彼の明るさは本作の荒んだ雰囲気を和らげていたように思います。また、石油精製所の野生児(エミル・ミンティ)にマックスはなつかれるのですが、この子供の外見的な愛らしさとブーメランで人を襲う獰猛さが相まって面白いキャラクターとなっていました。

一方、暴走族は完全に容易く人を殺害する悪党として異彩を放っていました。ボスのヒューマンガスは半裸でホッケーマスクを身に着けた個性的な衣装で、それでいて石油精製所の人々と交渉を持ちかけるなど頭脳的な部分を見せていて、ボスにふさわしい人物だったように思います。一方、モヒカン頭のウェズ(ヴァーノン・ウェルズ)は短気で好戦的と凶暴さを示しており、憎まれ役として良いキャラクターだったと思います。

ストーリー終盤のトレーラーと暴走族の戦闘シーンは緊迫感と危険な雰囲気が漂ってきて、観ていて最後までどうなるかハラハラして面白かったです。

これこそマッドマックスと言えるほど、その独特な世界観や登場人物たちの形を決定づけた作品となっていて、見ごたえのある作品で面白かったです。

鑑賞日:2024年8月20日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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