うらぬす

メランコリアのうらぬすのネタバレレビュー・内容・結末

メランコリア(2011年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

何の備えもせずに観ても、神秘的で鬱々とした映像美とキルスティン・ダンストのアンニュイな魅力で十分楽しめる。けど、鑑賞前に『トリスタンとイゾルデ』について調べておいたおかげで、単に地球の滅亡を描いているのではなく、トリスタンとイゾルデを地球とメランコリアに重ね合わせ、ある意味で愛の究極的な形「愛の死」を表現しているのかな、と深読みができて面白かった。
そのわりにジャスティンとマイケルは全然愛を貫徹できてないし、「地球上の生命はすべて邪悪だ」みたいな台詞をジャスティンが言うし、解釈に悩む箇所も多くある。絵画とか宗教とか、自分の知らないモチーフが巧みに取り入れられたりしてるのか分からないけど、謎めいた演出の数々によって監督に翻弄されること自体は楽しいから良しとする。