ジミーT

マタンゴのジミーTのレビュー・感想・評価

マタンゴ(1963年製作の映画)
5.0
私にとって♪雨に破れかけた街角のポスター♪とは断じて「いちご白書」ではなく、この映画なんです。

小学生の頃、通学路に面した靴屋の角にぼろっちい木の立看板があって、「モスラ対ゴジラ」とか「キングコング対ゴジラ」とか「〇〇の若大将」とか、名画座のポスターが貼られていたのですが、ある時突如、この映画のポスターが貼られていたんですよ。
全体に暗く青みがかった色合い。キノコの化け物のようなモノがその嫌らしくヒラヒラした手で、悲鳴をあげる女性に触れなんとす。というような図柄に横書きで大きく「マタンゴ」。
怪獣とは明らかに違う形状とネーミング。何だ、「マタンゴ」って?どういう意味?もしかして右から読んで「ゴンタマ」?
その図柄と、何となく卑猥なネーミングが絶妙のハーモニー。それはもう小学生を震え上がらせるに充分で、登下校時に雨に破れかけたそのポスターの前を通るのが怖くて怖くて、よく不登校にならなかったもんです。(注)
だからこの映画は観てもいないのに世界一怖い映画になってしまい十八年。

初めて観たのが20代後半の時、東京の名画座で。
やっぱり怖かった映画からの帰り道、雨の黄昏時、そこの曲がり角にあの立て看板と破れかけたポスターが幽鬼のように立っているんじゃないかと、♪過ぎ去った昔が鮮やかによみがえる♪もう、恐怖しながら帰宅したのです。


小学生時代のそのポスターの恐怖はトラウマ級で、テレビシリーズ「悪魔くん」の「首人形」の恐怖と双璧をなしています。

追伸1
そのポスターは、この写真とは違うようです。

追伸2
今に至るもホラー映画が苦手なのは、そのポスターによるトラウマのせいかもしれません。
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