ジミーT

007/オクトパシーのジミーTのレビュー・感想・評価

007/オクトパシー(1983年製作の映画)
5.0
クライマックスでは是非、

「ある時は秘密諜報部員007号、ある時は某国軍大佐、またある時はワニ、ある時はゴリラ、そしてある時は曲馬団の道化師。しかしてその実体は!!正義と真実と女王陛下の使徒・ジェームズ・ボンドだ!!」
「おう!野郎ども、殺っちめえ!」

これをやって欲しかったですが、それはないものねだり。

いま、アマゾン・プライムで007シリーズが見放題になっているので、第1作「007ドクター・ノオ」から順次観てきています。それで第13作「007オクトパシー」にたどり着きました。

公開時に観た時は、私が単純に期待した007と違っていたせいか、何か影が薄く、つまらないという印象でした。SF的な仕掛けもなく、革張りの椅子に座り、グレーのマオカラーで「ようこそボンド君、まあ掛けたまえ。何か作らせよう。マティーニでよかったかな。」みたいな話し方をする悪玉も出てこない。秘密基地の大爆破もない。

だから今回は半ば義務的に観たのですが、これが意外にも面白かった。昔つまらないと思ったところが面白かったりします。この意外性にスコア5.0。
ジョン・グレン監督もいい感じで肩の力をぬいて、スパイアクションというより探偵活劇というような感じが漂う。
ナントカの秘宝、ダイヤ、インドの大富豪、ターバンを巻いた殺し屋、謎の美女オクトパシーの意外な正体、サーカス団、古城でのクライマックスに熱気球で駆けつけたり、ジェームズ・ボンドが変装したり。007というより多羅尾伴内が登場したほうが似合いそうで、冒頭にご紹介した決め台詞になるわけです。
しかも列車の追撃があって、「列車がでてきたら屋根の上で戦わなければならない」という映画の法律をきっちり守ってくれるのは楽しい限りであります。音楽のジョン・バリー節も快調快調。

気になって調べてみたら、脚本にジョージ・マクドナルド・フレイザーという名前があり、これも調べてみたら「三銃士」「四銃士」「王子と乞食」「ローヤル・フラッシュ」とか書いていた。なるほど。この人の面白さだったのかもしれません。
コメディ要素も多かったし、だとしたら、監督もリチャード・レスターにしたら更に面白くなっていたかも・・・。
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