KnightsofOdessa

普通の人々のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

普通の人々(1980年製作の映画)
4.0
[感情は苦痛を伴う] 80点

頭脳明晰でスポーツ万能な兄貴の代わりに何も出来ないあんたが死んでればね、という態度を隠そうともしない母親の"愛の不在"が強烈。彼女が悪者になってしまうのは、伝統的な家父長主義的父親像からかけ離れた父親の存在があるからで、頑なに息子を理解しない頑固な父親がいなくなってしまったことで、その役目を母親が担っているに過ぎない。この家族を"普通の人々"と呼ぶ皮肉は凄いんだが、父母で善悪を単純化しすぎているのがちと受け入れがたい。反面、感情を押し殺し続け、自分が何がしたいかすら見失った息子の姿は大いに自分と重なる部分が多く、非常に息苦しかった。私にもエリザベス・マクガヴァン的な同級生をください。自力では立ち直れません。
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