このレビューはネタバレを含みます
本当に優しい人は人の痛みを知っている。
深い痛みを知っているからこそ、人に優しくできる。
そういう思いはしないほうが幸せなのかもしれないが、映画を通し追体験することで人の痛みを知ることができる。
人としての深みや広い視野を広げるため、映画は娯楽として消費されるだけのものでなく時として人生の教師となる。
そういう意味ではこの映画は僕にとっての道徳の教師みたいなものでした。
ハイライトは善良なコーフィーが最期に電気椅子で亡くなるまでのシーン。
とてもやり切れず胸が苦しくなる。
残酷な現実だけど、いつの時代も解決されない悪というのは必ず存在しているんだなと思った。
人の愛を利用すること、今の世の中でどれ程そういった行為が行われているのか、それを考えただけでも心が痛くなる。
最近起きた西新宿タワマン刺殺事件においても人を殺すことは論外だが、そこに至るまでの経緯の中で人の愛を利用したという事実もある。
ネットでは色々な声が上がっているけれど、愛を利用した不誠実な行為は永遠に無くならないんだろうなとやはり思う。
今の時代もう一度、ジョンのような優しい気持ちで人に接することが大切だと考えさせてくれました。
人の痛み、世の中の嫌な部分が見えてしまうコーフィー。
そんな彼が美しい映画を観て天使だと涙するシーンはなんとも言えない。
でも彼が救われたシーンでもあるかと思うとぐっときます。
世の中の汚れている部分ではなくて、皆美しいものを感じて安らいだ気持ちになれればいいのになぁと感じる。
そんな人生において大切なことを考えさせられる映画でした。