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グリーンマイルのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

グリーンマイル(1999年製作の映画)
4.3
The Green Mile:フランク・ダラボン監督、脚本、スティーヴン・キング原作、トム・ハンクス、マイケル・クラーク・ダンカン主演、1999年作品。

劇場鑑賞以来の久しぶりの再鑑賞。ショーシャンクの空に」に大感動して、フランク・ダラボンxスティーヴン・キング再びという事で、大きな期待を持って劇場に観に行った作品。しかし当時凄く期待外れでがっかりしたイメージだろうか。同じ刑務所が舞台なので、「ショーシャンクの空に2」でも観に行くような感覚が強かったのかも知れない。

同じ刑務所が舞台でも全然魅力が違う。ショーシャンクは人数も多く刑務所の施設が広大で撮り方が凄く格好いい。人物もアンディやレッドを中心に格好いい。刑務所に居ながらもそれなりに皆自由を得ていて、上層部の不正や忖度行為など社会の縮図のような印象もあったりする。そういうリアルさとも言えるだろう。

しかしグリーンマイルに収容される囚人は死刑囚ばかり。施設も狭くて汚いイメージが強調されているし、人物も皆(囚人も看守も)変人ばかりで格好良くはない。トム・ハンクス演じるポールも善人ではあるけど格好良くはない。マイケル・クラーク・ダンカン演じるジョン・コーフィは気は優しいが身体ばかりデカい臆病者。今観るとこの状況の方がある意味リアルな刑務所という気もした。

コーフィの不思議な力でも無ければ夢も希望もないシチュエーションだろうか。トム・ハンクス演じるポールは、この異様な刑務所と鑑賞者を繋ぐ中立的なポジションをしっかり熟してくれている。

力のない者同士がお互いを思いやったり、助け合って交流していく様が地味ながらもじっくり描かれていると思う。そして人はどう死んでいくのか・・・・。暗いが普遍的なテーマだ。3時間と言う長尺にけっこう上手く詰め込まれているような気がする。格好良くはないがけっこう好きな映画になり、再鑑賞して良かった。

刑務所を舞台にショーシャンクとグリーンマイルの2つの作品を制作したスティーヴン・キングとフランク・ダラボンは流石だと思う。「ショーシャンクの空に」は勿論最高だけど、この作品も外せないなと思い直したかな(笑)
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