古賀豪監督、吉野弘幸脚本、谷田部透湖キャラクターデザイン、川井憲次音楽、2023年作品。
水木しげる生誕100周年記念事業の一つとして企画された。東映アニメーションが水木プロダクションに話を持ちかけた時点で「鬼太郎の父をメインの映画にする」ということで、水木しげるの長女であり、水木プロダクションの代表取締役でもある原口尚子は「鬼太郎誕生以前のお話は水木も描いていないから、一緒に作っていきましょう。」と製作されたオリジナルの吉野弘幸氏による脚本。
「犬神家」「八つ墓村」の横溝正史風に帝国血液銀行の水木による回顧シーンは旧日本軍の闇と重ねて、反戦を貫く水木しげる氏のテーマが盛り込まれているのだろう。練り上げられた物語は観応えがあると思う。登場人物の水木から「ゲゲ郎」と呼ばれた鬼太郎の父のキャラクターがデザインも不安定でイマイチ好みではなかった。テレビシリーズ第6期を観たことが無くイラストのタッチに慣れていないせいもあるかも知れない。ぬりかべや猫娘などお馴染み妖怪キャラに逢えない事も残念だった。全体的に奇怪な妖怪キャラ満載にせず大人向けでキレイなタッチでサスペンスのように描かれている。リスペクトの形は様々だと思うがその辺も自分の期待とは違ったかも知れない。アクションなどアニメの動きもあまり良くはない様な気がしたけど・・・(苦笑)
ラストに突然鬼太郎誕生に結びつけたようで「そう来たか？！」まあいいかな(笑)
