みんと

戦火の馬のみんとのレビュー・感想・評価

戦火の馬(2011年製作の映画)
3.9
馬映画にハズレなし!
王道とは言え、ハラハラもするしドキドキもする。そして感動も。

先ず、動物の視点の戦争映画と言うのが新鮮だし、同類の戦争映画と一線を画している。

多くは前線で戦う兵士、戦争に巻き込まれる市民など、様々な境遇の人間を通じて生き様が描かれる。しかし本作では、馬を主役に据え、更に馬の視点から客観的に描かれる。

塹壕戦の迫力、容赦ない戦場を描きつつも戦いの中間地点でのエピソードはグッとくるし今作のキモ。

ただ、馬に対する虐待的シーンは見ていてやっぱり辛い。言葉を持たない動物だからこそ余計に辛すぎる。

一方、反戦メッセージをしっかり感じつつ、無条件に動物本来が持つ力(癒し)も感じる。いつまでも戦争をやめられない生き物であっても、やっぱり人間捨てたもんじゃない。温かみも沁みる。


監督のスティーヴン・スピルバーグは、モーパーゴの原作小説を読み、好評だった舞台版も観劇。彼は、モーパーゴの心温まる筆致に圧倒的な魅力を感じ、すぐさま映画化に着手したという。

監督の偉大さは理解出来るけどあまりに作品のバリエーションの多さに、毎度驚かされるし、未だに らしさも掴めない。
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