ASHITAKAAkino

戦火の馬のASHITAKAAkinoのネタバレレビュー・内容・結末

戦火の馬(2011年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます


若いお前に戦争や女は早い

勇敢なことをしたことがないの?

人間が危険な場に追いやっている

僕はお前を見つけたろ? お前は僕を見つけた


2023年映画156本目

『The Fabelmans』以降、スピルバーグの映画を観ているとき、作品とは別に作り手の意図や視点を強く意識するようになりました。たとえ舞台がイギリスでも、アメリカ人が銃と馬を本気で撮るとき、妙な魂が宿っている感じが好き。

本作は初めて鑑賞。最初の10分20分は観ていてこれが最後まで続くときついなぁと思っていたけど、切り替わる視点と場面に一気に引き込まれました。原作は馬視点でも、あくまで映画内の語り部は人。でも馬のジョーイを中心に展開。ポップでハートフル、エンタメものなら馬に喋らせまくるのかもしれないけど、良い演出になっていたと思います。
リアルタイムで観た人は久々のスピルバーグ映画だったはずだけど、どういう感想を持ったのか気にならなくもない。次から次へと有名どころの俳優が入れ替わり立ち替わり、それでもどんどん馬に移入できる構成はさすが。普通、でも切り取り方が普通ではない。舞台にしたらさながら群像劇のようでも、10頭以上のジョーイ役を用意しているだけあって、これは馬の映画。またこの作品では「逃げる」という行動を度々登場人物がしているのが印象的。猛々しく戦うだけが戦争ではなく、その周囲の暗い部分にも光を当てたかったかったのかなと想像。有刺鉄線に絡まれた馬を挟んで対話らしきものをするシークエンス、ベタだけど良かったです。マジックアワーもお手のもの◎
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