塔の上のカバンツェル

戦火の馬の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

戦火の馬(2011年製作の映画)
3.6
スピルバーグへの期待ゆえに、駄作、凡作と言われる今作だが、騎兵の突撃シーンなど印象に残る場面は多い。
直接的な残酷描写ではなくても、記号で印象に残る戦争描写を創り出せるのは流石スピルバーグだと思う。

第一次世界大戦では、1000万頭の馬が死んだと言われる。
イギリスから海外へ送られた100万頭の馬のうち、帰ってきたのはわずか6万2000頭で、残りの馬たちは戦死したかフランスで食肉処理されたという…
馬にとってもあの大戦はあまりに理不尽だった。


【2022追記】

映画終盤のソンムの戦いは、1916年の有名な攻勢ではなく、1918年8月の戦争末期の英第3軍のソンム戦域での攻勢を描いたもの。
パグパイパーの演奏と共に荒野での突撃シーンは、ゴア描写は無くともww1らしい戦場描写。
マーク1戦車は、恐らく400輌近い戦車を投入した英第三軍のもの?
馬のジョーイが颯爽と駆け抜けるシーンは美しいの一言。

英軍兵と独軍兵の交流もww1の切なさ。


【参考文献】
「第一次世界大戦の歴史大図鑑」株式会社創元社