塔の上のカバンツェル

新幹線大爆破の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

新幹線大爆破(1975年製作の映画)
3.5
タイトルのインパクトがご機嫌。
最近の「ブレッドトレイン」とか、それこそ傑作映画「スピード」が本作を元ネタにしてるとまで言わないけど、乗り物ハイジャック映画の原型ってどこにあんだろ?

爆発する、しないのサスペンスもそうだけど、密室で阿鼻叫喚に陥る乗客たちのパニック具合が1番怖い。

新幹線内の千葉ちゃん演じる車掌や助産婦、現場頑張るモノの国鉄職員とかは応援できるけど、それこそキアヌの「スピード」みたいにバスに乗ってる人達全員に助かってほしい、みたいな感情移入は乗客サイドの描き方的にそこは無く。

強盗側を義賊として描くの最近減ったなぁ。そういう描き方もそこまでしてないけど、犯人側にも事情が…という語り口で高倉健力が高くてそっちのパートもハラハラできた。

もう2000年代以降は、乗り物ハイジャックとか爆弾モノはだいたいサスペンスの駆け引きより、宗教的テロリズムとか銃乱射事件とか、要求ありきではなく、殺意と恐怖こそ本命みたいな殺伐とした時代になったので、こういう映画も減ったのかなぁ…とか考えてた。