kkkのk太郎

バットマン オリジナル・ムービーのkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

ゴッタム・シティの救世主“バットマン&ロビン“の活躍を描く特撮スーパーヒーロードラマ『バットマン』の劇場版。

発明家シュミットラップの乗る船が襲われるとの通報を受け、バットコプターで大洋へと向かったバットマン&ロビン。しかし、それはペンギンとジョーカー、ナゾラー、キャット・ウーマンが結成したヴィラン連合「ユナイテッド・アンダーワールド」の罠だった…!

キッチュでキャンプな作風が人気を呼んだテレビドラマ『バットマン』(1966)。その放送終了の2ヶ月後に公開されたのが本作であり、世界観やキャストはドラマ版を引き継いでいる。
ちなみに、本作公開の約1ヶ月後にはシーズン2の放送が開始している。このもの凄いスピード感覚に、本シリーズの人気っぷりが表れていますねぇ。

映画化という事で予算がアップしたのだろう。テレビドラマには登場しなかったバットコプターやバットボートが初登場。「これを見よ!」と言わんばかりに、冒頭からガンガン乗り回すバットマン&ロビンの姿が微笑ましい。
また、登場するヴィランの数もスケールアップ。ペンギン&ジョーカー&ナゾラー(リドラー)&キャットウーマンという、『バットマン』シリーズを代表する人気キャラが惜しげもなく投入されている。

色々とボリュームが増えているとはいえ、ノリは完全にドラマ版とおんなじ。マヌケなヴィランがマヌケなバットマンとマヌケなすったもんだを繰り広げる。「奴らが4人揃えば世界を征服できる…」って、そんな訳ねーだろっ!!💦しっかりしてくれバットマン。
オープニングに書かれている「荒唐無稽の楽しさ バカバカしさを愛する人に」という文言に嘘偽りはない。

そうなってくると、問題となるのは尺の長さ。
ドラマ版は1話30分弱であり、前後編2話で1エピソードが描かれる。つまり50分少々で1つの事件は解決するのであるが、本作はドラマ版とおんなじノリなのにも拘らずランタイムはその約2倍と非常に長く、どうしても間延び感は否めない。
そもそもドラマ版だって1話30分だからなんとか観てられる様な作品な訳で、2時間もぶっ続けで鑑賞出来る代物ではない。こんなんずっと観てたら頭おかしなるで🌀

大体、ドラマ版から諸要素を引き継いでいるのに、ニール・ヘフティ作曲の「バットマンのテーマ」が流れないってのはどういう事や一体!?あのオープニングが見たいからドラマを見ていた様なものなのに…。
確かに本作のオープニングも『ルパン三世 PART1』(1971-1972)みたいでカッコ良いが、やっぱりあのアニメーションと「デレデレデレバットマーン♪」という軽快なテーマ曲には敵わないのです。

『レゴバットマン ザ・ムービー』(2017)でもネタにされていた伝説の「バット鮫よけスプレー」や、POW!!なスマブラ的わちゃわちゃ大乱闘など、まぁ楽しいところもあるっちゃあるし、ドラマ版ではあまりフィーチャーされていなかったブルース・ウェインのプレイボーイっぷりが遺憾無く発揮されている点は評価したいのだが、これならテレビスペシャルでやってくれよ…というのが正直な感想です。

※字幕版しか配信していなかったので已む無くそれで鑑賞したのだが、このシリーズは本来吹き替え版で楽しむのが正解。広川太一郎さんをはじめとする伝説的名優たちによる荒唐無稽な演技合戦は、作品の面白さを何倍にも引き上げている。そういう意味では『宇宙忍者ゴームズ(原題:ザ・ファンタスティック・フォー)』(1967-1968)とおんなじタイプの作品である。
今回はかなり辛い鑑賞体験となったが、吹き替え版ならまた感想も違った事だろう…。

※※何気に驚いたんだけど、本作はワーナー・ブラザースじゃなくて20世紀フォックス(現20世紀スタジオ…ダサい名前🌀)製作なんですね。って事は、このタイツバットマンはMCUに参戦出来る…ってコト⁉︎
kkkのk太郎

kkkのk太郎