三作品からなるファンタスティック・オムニバスアニメーション。
製作総指揮は大友克洋が担当。
エピソード１：彼女の想いで
2092年10月12日。宇宙に浮遊する障害物の排除を請け負っていたチームが、宇宙の墓場サルガッソからのSOSの救難信号をキャッチする。二人のメンバーが現場に向かうと、壊れた宇宙船を見つける。中に入ってみると豪華な居住区域やオペラ劇場があり、それは2000年頃に人気ソプラノ歌手エヴァが使用していたものであった。やがて二人は不思議な幻想世界に引き込まれていく…
エピソード2：最臭兵器
甲府の西橋製薬に勤める研究員・田中信男は、風邪で体調を崩し、同僚に勧められて所長の部屋にある開発中の新薬サンプルを解熱剤と勘違いして服用してしまう。その薬は国の依頼を受け極秘に研究していた薬品であった。田中の周囲の人々が倒れる中、本社の開発局長から秘密裡にその薬品と関係書類を東京本社に持って来るように指示される....
エピソード3：大砲の街
大型の大砲で守られた街に住む少年は学校でも弾道計算を習い、父は砲弾の装填手で、母は砲弾製造工場で働いていた。
そんな街に住む少年は、父のような装填手ではなく、将来は砲撃手になりたいと思っていた....
宇宙を舞台に現実と幻想が交錯する「彼女の想いで」、関東甲信越を舞台に間違って開発中のサンプル剤を服用した研究者と自衛隊との攻防を描く「最臭兵器」、仮想世界の大砲の射撃シーンを描いた「大砲の街」の三作品が楽しめる。
それぞれの作品は内容も画風も異なり見ごたえがあったが、オムニバス形式とは言え、三作品のつながりが感じられなかったのが残念。
とは言え異質の三作品であるが故に大友ワールドを満喫できるアニメ作品です。
2023.8 BS12で鑑賞（日曜アニメ劇場）
