マーくんパパ

独立愚連隊のマーくんパパのレビュー・感想・評価

独立愚連隊(1959年製作の映画)
3.8
中国舞台にした大戦末期映画といえば悲しき玉砕とか残忍な現地人への虐待とかが相場だが岡本喜八監督はガラッと趣向を変えて西部劇テイストの娯楽作品に仕上げた。各隊のクズ兵士を寄せ集めて北支最前線には投入された独立愚連隊、そこへ新聞記者を装い弟の戦死の真相と仇討ちに馬に乗ってやった来たさすらいの脱走兵佐藤充。戦う相手が内部の不正隠匿上層部だから感情的にならず娯楽活劇として楽しめる。馬賊の親方鶴田浩二も可笑しな片言日本語でこの一匹狼を助太刀する。戦意高揚映画は敗戦で作れず戦争映画も二極化、悲惨な末路を描いた反戦映画か東宝本作のような娯楽に徹した活劇映画、後者の路線を大映は『兵隊やくざ』シリーズで追随した。