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ラスト・アクション・ヒーローのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

色々と惜しい印象。映画の中に入り込んでしまう少年、少年が情報を熟知していることを不審に思う映画のヒーロー、現実世界に来てしまい映画の世界と勝手が違うことに戸惑うヒーロー、最後はそれぞれの世界で生きていくことを約束して別れる、といった展開はどれも最高で、それぞれのシーン自体はとても良かった。映画のヒーローであるジャックが"自分は架空の人物に過ぎない"ことを理解して絶望するシーンもとても良い。それだけに、映画としてのつまらなさが本当に勿体ない。こんなに美味しそうな見た目の料理なのに、食べてみたら普通に不味いのである。

まず「映画の中」のシーンが無駄に長すぎる。いわゆる"アクション映画"の範疇を出ない退屈なシーンに時間を割きすぎている。我々が見たいのは普通のアクションではなく、映画との世界を行き来することの面白みの方なのに。そして折角の上記の"面白み"の描き方が、どれも本当に浅い。いくらでも面白くなりそうな設定が、どれも上っ面をなぞるだけで呆気なく通り過ぎて行ってしまう。あとせっかくこの設定にするなら、映画の中の世界はもっともっとぶっ飛んでいた方が楽しいと思う。実際の映画のパロディにしたかったのはわかるが、もっと世界を頻繁に行き来させ、わかりやすいトンデモ世界にするだけでめちゃくちゃ面白くなったと思う。

この設定だけ使って誰か映画を撮り直してくれないかな。
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