ゴン吉

プレイス・イン・ザ・ハートのゴン吉のレビュー・感想・評価

4.1
突然未亡人となった女性が、見知らぬ黒人や障がい者と生活を共にするヒューマンドラマ。 
サリー・フィールドが主演、ダニー・グローヴァー、ジョン・マルコヴィッチ、リンゼイ・クローズ、エド・ハリスらが共演。   

1935年テキサス州ワクサハチ―。保安官が旧知の黒人に撃たれて死んでしまう。残された奥さん(サリー・フィールド)は子供二人と生きていくことになるが、夫が死んで銀行から借金していることを始めて知る。そんな折、見知らぬ黒人男性(ダニー・グローヴァー) が家に訪れて雇ってくれるように頼み込む。奥さんは収入を得るため、黒人とともに綿花栽培をすることに。また借金返済を待ってもらうために、銀行の担当者の盲目の従弟(ジョン・マルコヴィッチ)を下宿させることに。かくして未亡人の親子、黒人労働者、盲人の共同生活が始まる…  

優しくも逞しいテキサスの未亡人をサリー・フィールドが好演している。
突然夫を失い未亡人となった専業主婦が、子供と家を守るために、不本意ながらも見知らぬ黒人労働者や障がい者と一緒に暮らすことに。
当初は問題も生じたが、やがて大切な存在に。
外見や先入観で判断するのではなく、協力や信頼を築くことの大切さが伝わってくるヒューマンドラマが心地よい。
アメリカらしい多様性の重要性や、アメリカ南部ならではの黒人への偏見も描かれている。
ラストは日本人には理解し難い納得感のないアメリカらしいエンディングに加えて聖書の一節で締めくくる。
様々な愛を描いた佳作です。
「たとえ人や天使の言葉を語っても 愛がなければ 騒がしいドラやシンバルに等しい 予言の力や知識があろうとも 愛がなければ無に等しい 全財産を貧者に施そうとも 愛がなければ 私に何の益もない 愛は忍耐強く 情け深い 愛はねたまず おごらない 愛は決して裏切らない」(コリントの信徒への手紙 第13章1~8節)

2024.3 NHK BSで鑑賞(プレミアムシネマ・字幕:加藤リツ子)
第57回アカデミー賞で主演女優賞、脚本賞を受賞(1985年)
第35回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀監督賞)(1985年)  
第42回ゴールデングローブ賞で主演女優賞を受賞(1985年)  
第7回トロント国際映画祭で観客賞を受賞(1984年) 
ゴン吉

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