大恐慌後のアメリカ南部。不慮の事故に近い形で黒人の酔っぱらった少年に夫を殺されてしまった家族。ただの主婦だった女性が助けられながら経済的に自立して行く様を描いている。職を求めて放浪している黒人労働者にダニー・グローヴァー、戦争で盲目になり銀行家の義兄に厄介払いされる下宿人にジョン・マルコヴィッチ、この二人の支えがよくてですね。
KKKが出てきますが、公民権運動運動まではまだまだ長い道のりのアメリカです。
ラストの教会のシーン。神の家にみんなが集っている。その地を立ち去った黒人労働者も、殺された夫と、夫を撃った少年も。戸惑いの表情を浮かべながらも、隣に座っている。
聖書のコリント人への手紙の一節、「愛がなければそれは無に等しい」は学生の頃、朝の礼拝で一番引用された一節だったと思う。