masahitotenma

プレイス・イン・ザ・ハートのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

3.9
大恐慌時代の南部を舞台にしたヒユーマン・ドラマの名編。
主演はサリー・フィールドで、ダニー・グローヴァー他が助演する。
監督・脚本は「クレイマー、クレイマー」のロバート・ベントン
撮影はネストール・アルメンドロス。
35回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。
原題:Places in the Hear (1984)

1935年、テキサス州の田舎町ワクサハチー。
結婚10年を迎えようとしている主婦エドナ・スポルデイング(サリー・フィールド)は、不慮の事故で保安官の夫ロイス(レイ・ベイカー )を殺される。
子育てと家事しか経験したことのなく、お金の稼ぎ方を知らないエドナは、2人の子ども、息子フランク(ヤンクトン・ハットン)と娘ポッサム(ジェニー・ジェームズ)を抱え、途方にくれる。
しかも、銀行員のアルバート・デンビー(レイン・スミス)から、多額の借金(住宅ローン)が滞っていると知らされ、家の売却を勧められる。
どうしても家を手放したくないエドナは、職を求めてやってきた浮浪者の黒人モーゼス(ダニー・グローヴァー)を使用人にし、彼を頼りに、30エイカーある土地で綿花栽培を始める。
更に、銀行員から、ソンムの戦いで失明し心を閉ざしている義弟ウィル(ジョン・マルコヴィッチ) を下宿人として押し付けられる。

巨大な竜巻の発生などを経て、やがて収穫の時期を迎えるが…。

~他の登場人物~
・美容院を営むエドナの姉マーガレット・ローマックス(リンゼイ・クローズ )
・その夫ウェイン(エド・ハリス) 
・小学校の先生"ヴァイ"/ヴァイオラ・ケルシー(エイミー・マディガン):ウェインと不倫関係にある。
・その夫バディー(テリー・オクイン)
・酒を飲んで誤って銃を発砲する黒人の少年(デヴロー・ホワイト)
・副保安官ジャック(ジェリー・ヘインズ)



"リンチ"
"銀のスプーン"
"ムチ打ち"
"料理"
"収穫一番乗りの賞金100ドル"
"価格交渉"
"KKK"
"人形、ウサギの足、形見のハンカチ"
"教会"

「もう二度とやらないわ」

「美人じゃないけど満足している」

「自分はここでの生活をこれ程、好きになるとは思っていなかった」

「肌の色は関係ない」

~"コリントの信徒への手紙"第13章1~8節~
「たとえ人や天使の言葉を語っても、愛なければ…。
愛は忍耐強く、情け深い。
愛はねたまず、おごらない。
愛は決して滅びない」

大恐慌時代のテキサス。
当時の時代背景や差別問題をうまく取り込み、堅実かつ落ち着いた演出で、優れたヒューマン・ドラマに仕上がっている。
サリー・フィールド、ダニー・グローバー、ジョン・マルコビッチの3人とも好演(他の助演者たちの演技にも注目)。
ラストも暖かみを出して、うまく締めている。
ベントン監督作品では「クレイマー、クレイマー」よりこちらを推す。
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