宇宙まで話を広げる壮大なホラと漫画チックな演出、絵画などを活用した背景が楽しくなる大人向けのクラシック・ファンタジー。ただテンポは現代人には若干鈍いので注意が必要。
冒頭月で音楽が流れることで「これはファンタジーの世界ですよ」と提示したり、罪を着せられ牢獄に閉じ込められた青年のもとに恋仲であるヒロインが訪れつかの間の逢瀬を楽しんだあと、偶然青年が踏んで落ちてしまったヒロインのドレスの一部を使って敵を欺き脱出したりする演出が粋な風情を醸し出しアダルトなファンタジーを大いに盛り上げる。
大砲から発射された弾丸に乗っかって主人公の伯爵が敵陣を偵察するシーンが馬鹿馬鹿しくて楽しい。あと味方の陣地に戻るときちゃんと建物にぶつかり人の形が残るコントチックな演出が笑える。
アンゴーラス(ウルトラマン80の怪獣)を思わせる巨大魚や、怪獣っぽく海を泳ぐ海竜などの特撮描写も印象的。
