東映だけど若松孝二作品。

いつの時代にもＪＫブランドは男を惑わせますね。

熟女というかオバハン(顔と首の色が違う)を誤って殺してしまい逃亡するおっさん。
浅間山が見える地で訳あり青年が取り仕切るＪＫばっかりの日本家屋の売春宿に流れつく。

噂のホットスポットとして東京からも客がやってくる。
田中小実昌(小説家)がやって来て昇天する芝居を見せつけたと思ったら、佐藤重臣(映画評論家)がなだれこんできてＪＫの泡踊りを堪能する。
締めは役者・佐藤慶が若者引き連れて来店。
突然、「殿山泰司が…」と切り出して「女」を語りだす。たぶんここは即興でやってるぽい。
ここらの非役者や台本に無い展開ぽいのはゴダールぽい。ぽい。

面白いのかどうなのかよくわからないが若松監督だけあって「自由」は感じられた。

爆弾が爆発したり警官が殺されたりしません方面のピンク映画。

売春宿の客として登場する役者の男が、彼(＝脚本家)の女性に対する見解を示しています。男と女は頭のロジックが異なり、女はまるで違う天体からきた生物のようだ、と。それで嫌気がさしたが身体だけは欲しくなる。だからこうして売春宿で女を買っているのだと。
現代の感覚から鑑みればこれはかなり不快と言わざるを得ませんが、宿の主人も深く同意しており、70年代の性差へのモラルの低さに愕然とします。
しかし、クライマックスの友情シーンには妙に説得力があり、なんだか有耶無耶にされたような感覚が残りました。

若松孝二監督が東映でポルノを監督していたことにも驚かされるが、それ以上に心に穴が開いているような虚しい空気が作品に漂っているのが印象的で当時のしらけムードがそうさせるのかあるいは監督の盟友である足立正生がパレスチナへ渡るため監督の元を離れたことが大きいのか。

銀行員でありながら誤って人を殺したためエロ産業というアンダーグラウンドな社会に迷い混んだ中年男と、彼と対峙する謎の男秋山ミチヲがいつしかお互いを理解してともに人生を歩もうとするという前向きだけど頼りない若松作品には珍しい結末もそんな印象を一層強くさせる。

『新宿泥棒日記』のような演技ではない地のままの状態で出演する佐藤慶が可笑しいが、やはり大島渚やゴダールを意識していたのだろうか。