rage30

しあわせの隠れ場所のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

しあわせの隠れ場所(2009年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

身寄りのない黒人青年を引き取る、白人一家の話。

恵まれない子供を助けるという、話自体は良い話だと思うんですよ。
サンドラ・ブロック演じる母親のズケズケとした性格も面白かったし、主人公が家族的な絆を得る事でアメフト選手としての才能も開花していく…という物語もよく出来ている。

ただ、あまりにも美談すぎると言いますか、話が綺麗すぎるのが引っ掛かる部分。
登場人物に善人しかいないというか、もはや聖人と言ってもいいくらいの人ばかり登場するので、流石にそれはねーだろと。
せめて、最初は反発してたけど、交流する内に打ち解けました…というなら、まだ分かるんですけどね。

それと、やっぱり裕福な白人が貧しい黒人を救うという構図にも違和感を感じました。
実際、白人酋長モノという批判があったそうですが、主人公は白人にとって都合の良い黒人に見えたし、黒人は貧しくて不幸な人間という偏見を助長している様にも感じたかな。
これって例えば、裕福な黒人一家が貧しい白人青年を救う話を想像してもらえれば、如何に歪な話なのか、お分かり頂ける事でしょう。

そんな私の違和感を裏付けるかの様に、昨年になって映画のモデルになった人物が家族を訴訟する事態が起こったそうです。
なんでも後見人制度を利用して資産を奪ったり、映画の報酬も自分だけ貰えなかったんだとか。
真実はどうあれ、あの家族に亀裂が入った事は事実なので、映画を見た人間にとっては残念でなりません。

この件が飛び火して、 サンドラ・ブロックまで批判されているそうですが、流石にそれは筋違いでしょう。
というか、物語の欺瞞性が明らかになってしまった現在、この映画に見る価値があるとすれば、アカデミー主演女優賞を獲得した彼女の演技なのかなと。
映画を批判的に見ていて私ですら、最後にウルっとしてしまったのは、彼女の演技力の賜物だと思いますし、これから本作を見る人には彼女の演技やキャラクターに注目して見て欲しいなと思います。
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