70年代に起こった実話に基づいたドラマ❗️面白かった‼️
今回のショーン・ペンはどうしようもない駄目人間、クズ男を演じています。その細かい内面描写は驚くほど繊細で巧くて唸ります。
サム(ショーン・ペン)は別居した妻(ナオミ・ワッツ)と子供たちとまた幸せに暮らすのを夢見て、事務機販売店に就職した。しかし経営者の方針について行けずに成績が芳しくない。そこへきて妻は他の男と付き合っている様子で、自分に見向きもしないのを悟り始める。それでも妻を取り戻そうと躍起になるサム。
人の良い自動車工の友人ボニー(ドン・チードル)と新事業を計画するが、融資を受けることもできず失敗。
仕事も人間関係も上手くいかない。何をやっても駄目で不器用で、何か一つの取り柄があるわけでもない。クヨクヨとウジウジとするだけで先が見えず、どうしようもない負の連鎖。社会からはみ出して、とうとう妻からは離婚届、兄からは絶縁を告げられる。
孤立していくサムには、ボニー以外に話し相手はなく、あとはテレビを通して世界を見るしかない。そのテレビには、常に理想の声明を読み上げるニクソン大統領が映し出される。どんどん溜まった鬱憤の矛先は...自分が駄目なのは社会のせいなんだ💢となっていく。
サムは尊敬するレナード・バーンスタインのレコードを聴き、彼に送るためのテープ📼を用意する。そこにアメリカの現状に対する自分の考えを録音する。
ニクソン大統領に対する怒りと憎しみが抑えられなくなっている時、ホワイトハウスの庭に着陸したヘリのニュースを見て暗殺計画を思い立つ💥
生身のニクソンではなく、テレビのなかのニクソンなのだが...
空港で銃を振り回し突進したサム。彼はその標的を既に失っている。ニクソン(メディア)を暗殺しようとした平凡な男は、家族や友人にも振り向かれないようなニュースの中に封じ込まれ忘れ去られていく...
寂しい男の人生の一端を演じたショーン。
普通なら、同情も出来ない男の日常を観るなんてつまらなくて仕方ないのに、髭を剃るだけのシーンですら目が離せなかった💫
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鑑賞後に1999年に行われた『アクターズ・スタジオ ショーン・ペン』のドキュメンタリーを鑑賞。
幾つかショーンの作品を観て来た今のタイミングなので、それぞれの作品の思い入れや監督、共演者のこと、考え方等、一言づつが楽しめて幸せタイムでした🍀
前列には愛する妻のロビンが和かに座っていました。
最後は学校の授業方式で質問に答えるのだが、その中で1番前列にいた生徒が質問する。なんと当時24歳のブラッドリー・クーパーなんです💫
「僕はドラマ・スクールの俳優2年目のブラッドリー・クーパーです。あなたが演じた映画『キャスティング・ディレクター』のエディ役に対するアプローチに関して質問があります。過去、このような役のご経験はありませんよね?どのようにこの役を作り上げたのですか?」と質問。
その質問にショーン・ペンは非常に丁寧に回答している。
両者共に真剣な姿はとても印象的だった💫