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P2のRのネタバレレビュー・内容・結末

P2(2007年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2007年のアメリカの作品。

監督は「惨劇の連鎖」のフランク・カルフン。

あらすじ

クリスマスイブの夜。残業で帰りが遅くなり、不運にも地下駐車場に閉じ込められてしまったアンジェラ(レイチェル・ニコルズ「アンチ・ライフ」)の戦慄の一夜を描く。

かなり昔に悪名高き映画評論家の前田有一がオススメしていて、ずっと気になっていてこの度U-NEXTで鑑賞。

面白かったです。

お話はあらすじの通り、主人公アンジェラとそのアンジェラに想いを寄せるストーカー男との戦慄の一夜を描くスリラーな内容となっているんだけど、まず、何より主人公アンジェラが超絶美人!!

この女優さん、レイチェル・ニコルズさんっていうらしいんだけど、全然知らなかったなぁ。「P2」以外だと「アンチ・ライフ」でブルース・ウィリスと「トカレフ」でニコラス・ケイジと組んでたりとまぁあまり売れなかったようだな笑。ただ、今作に限ってはもう一目でわかる美人さん!序盤、ストーカー男に囚われの身になった際のドレスからこぼれ落ちるようなパイ乙もすごくてめちゃくちゃセクシーでもある。

また、そんなヒロインをつけ狙うストーカー男のトーマス(ウェス・ベントリー「ベスト・オブ・エネミーズ」)はもう完全にアンジェラにお熱で、もうすでに自分の中では付き合ってる設定で事を運ぶような、まさにストーカーたる妄想気質のやばいやつなんだけど、演じるウェス・ベントリーがまたすごくイケメン。

ただ、ここに関しては好き嫌いが分かれるかも。どうせなら、もっとヤバいやつっぽさがある俳優さんならスリラーを飛び越えてホラーの領域に入れそうなものの、割と爽やかイケメンなので。ただ、まぁそういう役者さん使っちゃうと作品としてのエンタメ度が下がっちゃうのかな?そういう意味ではバランスがいい配役だとも言える。

また、こいつがやることもヤバくて、どうやら以前にアンジェラに酔った勢いでセクハラまがいのことをしでかしてしまった同僚を秘密裏に捕えて、拘束した挙句、それを「彼女に手を出すな!」と車で何度も轢いてオーバーキルしたり、上述のアンジェラのくだりでもドレス姿にわざわざ着替えさせて、自分はサンタ衣装に身を包んで戯けたりと…関わりたくねー。

あと、今作特筆すべきがそのシチュエーションが人がいなくなった地下駐車場という点。「P2」ってタイトルも駐車場の地下二階を明示していることからもわかる通り、その主なシーンはほとんどその駐車場で行われるんだけど、ただでさえ人がいなくなってうら寂しい状況下の中で取り残されたヒロインとそれをつけ狙うストーカーたった2人の「命を賭けた追いかけっこ」が行われており非常にスリリング。

舞台装置としても上手く活用されており、例えば中盤アンジェラの必死の通報によって、警察の見回りが来るんだけど、とうのアンジェラはトーマスの手によって上階のクルマのトランクに囚われており、必死の脱出も虚しく、たどり着いたその直前に退場ゲートからパトカーが行ってしまう「あともう一歩なのに…」な歯痒さだったり、その直後、トーマスの相棒であり、愛犬のロッキーが解き放たれて、踵を返して逃げるアンジェラを獰猛なまでの猛犬がダッシュで追いかけてくる恐怖感とか、とにかく作品のトーンとマッチしていてスリリングかつ面白い。

特に終盤、ついに反撃に出たアンジェラとその反撃を喰らうもタフに追いかけてきたトーマスが駐車場の通路の対面上に車同士で対峙して、マッドマックスもかくやのエンジンブルブル震わせてぶつかり合いを演出するくだりとかここはスリラーとは別にケレン味溢れるアクション要素で印象的。

ラストは散々っぱら酷い目に遭うも、ひとまず車に括り付けてもう追われる心配もないから立ち去ろうとするも、それまでの態度はどこへやら、負け惜しみとばかりにトーマスに「ビッチ」呼ばわりされたことにカチンときたアンジェラがスタンガンで車ごと引火させて爆死させるという胸スカなラストも良い。

ただ、これは作品の評価とは別に犬好きの人にとっては目を覆いたくなるシーンも。いくら敵とはいえ、あそこまでまざまざとその討伐を描かれちゃうとちょっとかわいそうだよなぁ…。

とはいえ、流石あのアレクサンドル・アジャが脚本を手がけているだけあって猟奇的かつめちゃくちゃ濃ゆくて面白い。作中の季節がクリスマスなこともあり、劇中エルヴィスなどのクリスマスソングも使われるシーンがあるんだけど、そこも抜群に効果的だったりと、特にクリスマスに夜な夜な観るのにすごくオススメな作品だと思うので、これからの季節に是非🎄!!
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