タイトルに惹かれて鑑賞したら、考えれば考えれるほど重たく暗い気持ちになったモノクロ・サスペンス
ユダヤ人差別が描かれますが、原作は同性愛を扱った、さらに進んだヘイトクライム作品だったそう。
自分と違うだけで他人を排除するなんて、本当に馬鹿げていますよね。
ユダヤ人サミーが自宅で殺害された。
警察は、前夜に彼とバーで話していた帰還兵モンティ、ミッチ、フロイドから事情を聞こうとする。
しかし、犯人と思われる者は失踪したり、死体で発見されたり、さらに兵士同士で庇い合ったりして、事件は迷走していき……
意外と真犯人はすぐに判明します。
謎解きがメインではないみたい。
やはり重要なのはヘイトクライム。
"無知な人間は、自分と違うものや理解できないことを嗤う
実は恐れているのだ
そして憎みだす"
兵士として戦場に送られ、上の命令をそのまま実行する日々。
そこから妻や家族の下へ帰還しても、どう生きたら良いか分からない。
そのモヤモヤはやがて、異物への憎しみとなる。
敵味方がはっきりした戦場で生きるのは簡単だったかもしれない。
しかし戻った家では、社会ではそうはいかなくて…
そんな兵士達の生き難さも分かりますが、差別は別物。
ましてや殺して排除するなんて論外。
そんな差別を助長するとされ、当時は公開後数ヶ月で上映禁止となったそう。
差別は良くない!と述べるだけならば簡単だけれど、無意識のうちに差別したり避けたりしてしまうこともありますよね。
それを再認識させてくれる作品でした。
こういうテーマは、戦争映画と同じく定期的に鑑賞すべきだな。
作品自体はあっさりめですが、きっちり心にキズを植え付けてくれる良作☆