ろく

銀蝶渡り鳥のろくのレビュー・感想・評価

銀蝶渡り鳥(1972年製作の映画)
3.4
「あんたが生きてちゃ銀座のネオンが曇るんだよ」

梶芽衣子を菩薩だと思っている自分にとってはこれは観てなんだすまない~という気持ちでいっぱい。早速視聴。

まあ全体の構成はこれでもかというくらいポンコツなんで前半なんかもうどうでもいい感じで見ているんだけど、後半ビリヤード対決になるところから俄然目が離せなくなる。

ちなみにそのビリヤードは9ポケットでなく4つ玉(赤と白の玉だけを打つやつね。昔はビリヤードというと9ポケットでなくこっちなんですよ)。キューをさばく梶の姿にノックアウトである。ああ、やっぱりこの映画は梶芽衣子を観る映画なんですよ。

そして最後のおなじみカチコミ。東映はこうでないとね。東映基本文脈、我慢、我慢また我慢、我慢、許さんぞわれーですよ。これを永遠のマンネリと見るのか、まってました水戸黄門と見るのかで評価が分かれるところ。私ですか?当然待ってましたですよ。

カチコミシーンでは山口和彦演出であるぶれぶれカメラがさえる。カチコミシーンと一緒にカメラを揺らせば臨場感最高!SFXなんていらねえからな(当然CGもだぜ)。

前半のダルダル演出さえなければ神なんだけど、まあ東映だからいいかと妙に納得。敵は南原宏治。いいですぜ、イケメンやな奴、憎い奴(そこがいいんじゃない!)。そしてかっこいいデブとして不良番長辰兄。なぜか憎めないのは不良番長が好きだからか。いいえ、辰兄の人間力ですぜ。

梶のサポートには実践喧嘩10段、渡瀬恒彦。でも最後のカチコミ以外はそれほど活躍しないのが残念。途中まで渡瀬だと思わなかったよ。

はい、東映の水準はしっかり達してますけど、今見るとたまにあまりにウエットな演出に苦笑する。梶が殺した男の息子に飛行機の模型を渡すとこなんかあまりな展開に涙するぜ。ボーイングかよ!

というわけで2作目も見る予定。ありがとう梶ありがとう怨み節(違)
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