ろく

フォードvsフェラーリのろくのレビュー・感想・評価

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.2
車さえ出ていればなんでもいいや③

モータースポーツの知識は全て新谷かおる先生からもらった(主に「ふたり鷹」だけどそれ以外に「ジェントル萬」なんかもあるね)。

で、そんな薄っぺらなコンドーム知識の僕がいうのもはばかるんだけど、「滾る」。アツい、アツいよ、ボートレース!(しまった、モータースポーツだ)。

ドライバーだけでなく、エンジニアの観点からもモータースポーツを語る複眼的なところがまずブラボー。モータースポーツはピットもエンジニアも込みで「スポーツ」なんだよね。

フォードとフェラーリの確執、企業としてのフォード、さらにはモータースポーツの存在理由まで、「裏側」を見せながらもしっかり「最後はスポーツなんだよ」って言っているのがいい。そのラインで来られたら滾るしかないんですよ。

またバディものとしても素敵で、マット・ディモンとクリスチャン・ベイルがしっかりとお互いを尊敬しているのもいい。当然立場による喧嘩なんかもあるけど、それを乗り越えての二人なんで定番だけど「感動する」。なるほど、これは評価いいわけだわ。

実際この話は実話だそうで(知らなかった)慌てて調べたらなるほど、そんなことがあったんだと納得。この映画のラストは少しばかり悲しいしつらいけど、それも込みで「現実」の持つ力強さを感じた。

最後なんか泣いてしまいますから。そんなことってそんなことって。それも入れて現実が実にドラマチックだったのだと思ってしまった。

車の映像もほんとすごく実際に運転している感じになる。モータースポーツなんか「ふたり鷹」しか知らない僕がおおおって言っているんだから間違いないっすよ。王道。王道の映画を見せつけられた気持ち満載でした。

※珍しく穿った気持ちにならない、ほんとドストレートの映画を見せつけられた。新しいことは何もないんだけど、今ある感覚で最良のものを見せつけられた感じ。ハイ、脱帽です。

※クリスチャン・ベイルの妻役で出ているカトリーナ・バルフが助演女優賞にして裏主役。「あのシーン」に心持って行かれる人は僕以外でも多くいるはずだ。優しい癖に芯が強い、そんな人に惹かれないわけないだろ。
ろく

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