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グレートレースのろくのレビュー・感想・評価

グレートレース(1965年製作の映画)
3.6
車さえ出ていればなんでもいいや①

というわけで車さえ出ていればテンションあがるウィークです。まずはポンコツ映画から。

チキチキマシン猛レースの前身じゃねえっていうほんとただトンデモない車が出てくる映画……って言いたいとこだけど車がたくさん出てくるのは最初だけで後半はもう二台しか出ない。一台はトニー・カーティス運転する真っ白オープンカー。もう素敵素敵なんだけど、チキチキならトニー・カーティスも込みでハンサムGTなんだろうなぁ。でもう一台はジャック・レモン教授が運転するなんでもありブラック魔王カー。ガジェットだらけで大好き。真ん中から大砲撃ったり車高が上がったりします。これチキチキでおなじみね。ヒロイン、ナタリー・ウッドの車はすぐ故障してしまうのが残念。

でおなじみブレイク・エドワーズなんで誰が笑うんだこのコントが5分に一回繰り広げられる。そのたびジャック・レモンの顔は○○まみれに。粉だったりお菓子だったり消火器だったり水だったり雪だったり、で最後パイだったり。もう顔ぐちゃぐちゃにしとけばいいんだろ展開ですよ(この展開はその後日本ではドリフで踏襲されると思っている)。

そしてジャック・レモンは五分に一回、どっかから落ちます。二階だったり気球だったりロケットだったり流氷だったり。最後はケーキの上にドーンと落ちます。この「落ちる→笑い」という展開もブレイク・エドワーズの代名詞。当然テンポがよくないんで(ブレイク・エドワーズの監督作はどれもテンポが悪いのさ)そんなに笑えないんだけど質量作戦でこれでもかこれでもかでやるんで苦笑だかなんだかわからなくなるくらいに最後笑ってしまったよ。嗚呼。

最大の見所は車でなく(無念)パイ投げ合戦。ジャック・レモンもトニー・カーティスもナタリー・ウッドもみんなみんなパイまみれですよ。あれ見れただけでいいや。あんな長いパイ投げシーンなかなかないからね。さあみんなパイを投げようじゃないか。

そして最後は「Because I love you」ですよ。あのセリフ聞いただけでなんだこの幸せ映画めって思ってニヤニヤ。ああ、途中ダルダルダルビッシュ映画だけど許してやるか。いいじゃん馬鹿映画なんだから(ブレイク・エドワーズの映画は基本馬鹿映画である。「ティファニーで朝食を」をオシャレ映画だと思って見ると痛い目にあうからな。ピンクパンサーシリーズに関しては言わずもがなである)。馬鹿映画は見ているものを「そんなくだらないことに悩んでいるんじゃないよ。人生はもっとどうでもいいだよ」そう語りかえる。さあ、君も馬鹿映画を見て人生をバラ色にしようじゃないか。

※ジャックレモン扮する教授の助手があのピーター・フォーク。コロンボがパイまみれになるところを見ることもできます。コロンボも基本馬鹿だったってことですよ。

※今回は「車」ウィークなのに最初の作品がこれでいいのかというツッコミもあるけどガジェットだらけの車を見てテンション上がりまくりなことしきりである。機能性なんかどうでもいいんだよ。
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