ボンドの本職(？)軍人としての活躍がイケてるちょっとオトナのファンタジー映画
ボンドシリーズ10作目｢私を愛したスパイ｣、各種ランキングではロジャームーアボンド作品の中では概ね上位に入る作品ですね。
まず、プレタイトルの一連の流れからの"nobody does it better"は流麗で美しい。この歌のメロディのおかげで、今までの作品にあった賑やかな雰囲気からガラリと変わり、｢大人のファンタジックロマンス｣なムードが醸しだされています。今回は消えた潜水艦の謎を解くため砂漠のエジプト、サルデーニャ島、そして巨大タンカー内でアクションを繰り広げます。
この作品、ボンド映画の中では真面目で手堅い部類になるのかなあ。主題歌もすばらしいし、アクションも良いし、オチも良いけど、なんというかもう１パンチ欲しいというか...ロジャー作品にしてはトンデモ展開がなくて、(ジョーズの存在以外)アーニャとの仲を深めつつ、軍人として粛々とスマートにミッションをこなしていてフツーにカッコいいので、｢ムーンレイカー｣のような迷作を見慣れると｢私を愛したスパイ｣は優等生的作品です。
ボンドの仕草やキャラ設定も骨太でパワフルな男から物腰の柔らかい紳士にシフトしており、尚更優雅な優等生感がでるのかも。あと、水陸両用のロータスエスプリもcoolですね。
その分、人には勧めやすいし、基本を押さえた原点になりうる007映画かもしれません。
ただし、海軍の軍服姿は本当にカッコいい！そしてナイル川の船上でのラブシーンはセリフ込みでとびきり甘美です。二人の瞳に吸い込まれそう...
...でもその後ボンドはしっかりヘマしちゃいますがね。
いやー、せっかく007シリーズを全部通してみたからレビューもやってみようと軽い気持ちで取り組むと結構大変なことが判明(笑)
