筒井康隆御大の小説をアニメ映画化。故・今敏監督、音楽は平沢進。
イマジネーション溢れる夢世界の映像は楽しげで不気味で素晴らしいものがある。場面展開の感じとか、まさに夢を見ている時のよう。その中での百鬼夜行のようなシーン、どこかで見たナァと思ったら、平成たぬき合戦ぽんぽこだった。平沢進の音楽と相まって、日本的テイストが強く出ている。
読んでないけど原作はそれなりの分量、かつエロ要素も多いらしいので、一般向けの映画としてまとめるのに苦労しただろうが、話にもう一捻り欲しいと言うか、最後、ラスボスを吸い込みながら巨大な裸の女になるあたりは夢とは言え荒唐無稽過ぎて、なんだか投げやりな感じだった(人は「夢」で成長するということが言いたいのか？)。
しかしとにかく映像表現は申し分なく、そのクオリティの高さだけで充分に価値がある。そして、言わずもがな、だけど言いたくなるほど、林原めぐみの声は素敵だった。
