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パプリカのyuiのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
4.8
覚めているのか?それとも醒めているのか?
夢現の世界にきみの醜さが、美しさが羽ばたく。
真っ直ぐ、清らかで、優雅なものにこそ惹かれ、捕らえたがる。
歪で、不快で、恐ろしいはずのものにこそ惹かれ、捕らわれる。
我々は胡蝶の如くに踠き――

美しくとも、身を預けたくとも、どれがきみの現実?きみたちの夢?
誰も彼もを受け入れて、笑いながら、泣きながら、それでも向かう先が現実だろう。
現実を悪夢とするならば無理矢理にでも喜劇へと変えるため、廉価な未来と享楽の意義を問いながら。
醜くとも、目を反らしたくとも、確かなきみの現実。きみたちの夢。


「まだ捨てないで、まだ価値があるから」
悪夢となったかつての愛しき夢たち、改めて見れば醜く歪な夢たちが奔流する。それをパレードと呼ぶのならば、人生は悲劇だ。人生は喜劇だ。我々は存在する限り魘され続ける。覚めない夢を見ている。ずっと覚えている。魅了され続けている…
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