Ranan

パプリカのRananのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
4.0
この作品がどういうものか語るときに必ず出てくるフロイトとユングをふまえた表現。観る前にそれを知ってしまってもいいと思う。知らないとわからないし、あーーこれかーって気付けるし、そういう要素を話に組み込むのがすごく自然で上手い。
細かなシーンだけど、時川や街の女子高生が画面の中に頭をすっぽり入れてしまうのも象徴的だと思う。

わたしたちは常に夢を見ている。映画を観るのもひとつの夢に入り込むこと、スマホに没頭するのも同じである。
それが現実と混同されるのは怖いしわたしはあんまり好きじゃない。表現の仕方や心の動きを数学で表せるようになったのは偉大だけど、理想形は常に画面とかデジタルの外になくちゃいけないと思う。
関連性は不明だけど、コロナのおかげでより一層それを認識した。友達が現実に存在しないみたいですごくさみしい。MRとかSRで好きな人が目の前に現れても満たされるのかな?

粉川がスクリーンを破るところも好き。映画に映画が好きな人が出てくるって第3の壁を破っている感じがして、なんか素敵。
Ranan

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