マクロコスモスからマクロコスモスへの移行が見事なオープニングから、ラストまで勢いで突っ走るホラー・ミュージカル。その素晴らしさ、馬鹿らしさ、そして楽曲の陽気さは『ロッキー・ホラー・ショー』並み。
冴えないけれども何故か女性に愛されるリック・モラニスはもとより、ジョン・キャンディやジェームズ・ベルーシら芸達者なゲストに笑わされながらも、何度でも見たいスティーブ・マーティンとビル・マーレイのどっちがより変態か対決は圧巻であった（もしかしてフランツ・フェルディナンドの『ダーツ・オブ・プレジャー』の元ネタ？）。
とはいえ、この映画の真の主人公は食人植物「オードリーⅡ」であることは間違いない。その圧倒的な歌唱力（声はリーヴァイ・スタッブス）とチープで毒々しいまでの造形から滲み出る80年代感。ハロウィンに浮かれる今の季節にピッタリであるだけでなく、ジョー・ダンテや初期のティム・バートン（特に『ビートルジュース』あたりのテイスト）が好きな人にオススメ。
