ナガノヤスユ記

ハンニバルのナガノヤスユ記のレビュー・感想・評価

ハンニバル(2001年製作の映画)
4.0
いかにもリドリー・スコットらしいセンチメンタルが爆発。あくまでガラス越しの距離に留まったカウンセリング的なジョナサン・デミの前作とはうってかわって、慇懃無礼なミソジスト達をレクター氏が血祭りにあげまくるカタルシス展開。台詞にもある通り、クラリスと博士の関係はまんま美女と野獣にさえ近い描かれ方。あるいはむしろ、シガニーとエイリアン…。クラリスにご執心のあまり自らの身を危険に晒す博士の茶目っ気。「安いもんだ腕の一本くらい…」とさえ言い出しかねない。
これはこれで好き。
「君が壁を乗り越え、自分の勇気と不屈の精神を思い出すために(つまり、これまでの抑圧から解放され、精神の自由を勝ち取るために) 、必要なものは鏡だけだよ」というレクター博士の必殺の口説き文句、僕も積極的に使っていこうと思います。