ウィリアム・S・バロウズの原作をデヴィッド・クローネンバーグ色に染めた問題作。
バロウズをモデルにした麻薬中毒者のウィリアムが見た世界だから
観ている側は狐につままれた状態で何が起こってるのかわからない。
しかしこれはウィリアムの頭の中で感じ、そして見ている世界だと思えば不思議の国をトリップしているようで
気持ちがハイになる反面吐き気を催すような不快な気分にも
まあ、これは薬はもちろんアルコールさえまともに飲めない自分が言うと説得力ないけれど、監督クロネンバーグ自身も全くドラッグ体験がないそうだ…
バロウズ原作「裸のランチ」もジャンキーが書いたような内容で支離滅裂でわかりづらいそうだけど
その世界に近づいていったクロネンバーグの作家魂には大きな称賛を送りたい
しかしもう一度観るには時間が経ってからでないと無理だし体力的にも相当にきつい作品だな。
何とも不思議な魅力で
時を重ねるにつれカルト化されるのは
なんとなくわかるんだけれど……
