停滞

階級関係 -カフカ「アメリカ」より-の停滞のレビュー・感想・評価

4.2
なんとなく S=Hがわかった、いや映画がわかってきたというのか。やっているのは別にバザン的長回しによるリアリズムではない。かと言ってハリウッドの物語文法的なカットの切り返しなどを用いた劇でもない。カフカの失踪者の映像化、とも片付けるべきでない。映像とテクスト(音)の塊が表現される、つまり空間と時間のエクリチュール。非常に優れた形式美。

加えて個人的に、社会に抵抗して放浪する彼の姿には少なからず共感できる部分があったので結構好き。そんな何度も繰り返して見ようと思うかは今後の映画観次第ですが。
停滞

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