階級関係 -カフカ「アメリカ」より-の作品情報・感想・評価

「階級関係 -カフカ「アメリカ」より-」に投稿された感想・評価

全速力で走っても殴られてバルコンに運ばれても分け目の乱れないクリスチャン・ハイニシュ。汚れない白シャツも素敵だ。画面に映らない人物の声が記憶に残っている(横になる歌手を映すショットとか)。最後、列車のとなりに座ったのが裏切りを遂行したかもしれないあいつだったことには驚いた。
これは面白かった。すくなくとも観やすい。カフカなんてろくに読んでないけど、カフカっぽいと思ったり。読んでないけど。
併映『アン・ラシャシャン』
tjr

tjrの感想・評価

3.7
原作カフカ。淡々とブレッソン流に進むが時折突き飛ばし、疾走などあり油断できない。女がピアノを弾かせるシーンや急に崩れ落ちる元仲間?が良かった。ちと長い。すべてはラストカットの為にあったのではと思ってしまう。
木漏れ日のような陰影、オフから聞こえる音、時折挿入される屋外のショットが良い。
ファーストショットやデブの男を突き飛ばすシーンも好き。
kentaro

kentaroの感想・評価

-
原作にとても忠実。
だけどカフカの小説の方がはるかに面白い。ハネケの「城」もそうだった。
これは何故だろう?
うたた寝して変な夢見て、「しまった!8時間くらい寝てしまった!」と思ったらなんと2時間しか経っていなかった感をなんと呼ぶのか知らんけど、カフカの作品にも似たような魔力があって、アメリカとか城とかとくにそう(ちなみに個人的に一番好きなのは『ある流刑地にて』)。
もっと長回したっぷりなストイックなやつかと勝手に想像してたら、意外とテンポよく進んで安心。でも確かに原作読んでないとこりゃなんのことかわかりませんね。
時折差し込まれる外景の横移動にドキッとする。
かつてヤンキーにからまれたときのことや、逆にぶん殴りたくなるような狂的に理不尽な大人が居直る職場での記憶を、鮮烈に呼び覚ますのがこのアメリカ。あと、作中セックスの匂いがプンプンしとるが、匂いだけということを、思い出した。
ハネケの城の映画文法に近いモノがあるのを感じたのだが、寸断されるとか尻切れになるとか、カフカの文体が忠実に模倣されているといえば、そうかもというぐらいで、実際観て面白かったけれども、省略が過激なので原作を読んでなけりゃどうなってたんだろうとも思う。
でも好きなのでまた観る。