けーな

ユナイテッド ミュンヘンの悲劇のけーなのレビュー・感想・評価

3.8
イングランドの名門サッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッドが、1958年に実際に遭遇した飛行機事故による悲劇と、それを乗り越えてチームを再建し直した実話を描いた映画。

このような痛ましい事故によって、主力の選手やスタッフを一瞬に失い、残された人達の衝撃や哀しみと言ったら、相当な物だったと思う。命が助かった選手も、心身共に大きな傷を負い、それを克服したのは、並大抵のことじゃなかったと思う。

マンチェスター・ユナイテッドと言えば、ベッカムが、日韓ワールドカップが行われた当時に在籍していたし、一時期、香川真司が在籍していたこともあるので、サッカーに疎い人でも知っている有名なチーム。そのチームに、こんな苦しい過去があったことに、とにかく驚いた。

サム・クラフリンが出ているから観たのだけれど、今作は、彼の映画出演2作目で、まだ無名だったのに、とても存在感があり、演技が巧いなと改めて思った。サム・クラフリンが演じていたダンカン・エドワーズは、当時のサッカー界でのスーパースターで、今で言うところのメッシみたいな存在だったのだそうだ。コーチのジミー・マーフィーが、世界最高のサッカー選手だったと、何度も述べている。

事故機に乗っていなかったために助かった、コーチのジミー・マーフィーを演じているのは、デイヴィッド・テナント。ハリポタで、クラウチJr.を演じた人だ。今作では、熱血コーチぶりと、事故後にミュンヘンの病院に駆けつけて、皆に会うシーンが秀逸で、中でも、階段で泣くシーンが見事だった。

「ダウントン・アビー」でウィリアムを演じていたトーマス・ハウズが出ていた。マーク・ジョーンズという選手を演じている。サッカーの試合の寸前にもパイプを吸っている姿がとても印象的だった。イギリスの映画を観ていると、大抵、ハリポタかダウントン・アビーに出ていた俳優が出てくるので、それだけでも嬉しくなってしまう。

飛行機に乗る予定が近々にある人は、見ない方がいいかもしれない。事故が起きるシーンが、けっこう怖い。私も、以前、吹雪の日に、機内で何時間も待たされ、離陸を3回トライしたけど、結局、飛べずに、夜遅くなってラウンジに戻された経験がある。逆に、何回かトライして、その後、無事に飛んだという経験もある。この映画を観てしまうと、もう、そういう場面に遭遇したら、怖くて耐えられるか自信がないな。
けーな

けーな