LEO

花よりもなほのLEOのレビュー・感想・評価

花よりもなほ(2006年製作の映画)
2.7
カンヌで柳楽優弥に男優賞を獲得させた、是枝監督が描いた時代劇。
今から15年以上前の作品かぁ。岡田くんはこの頃から演技力がずば抜けてたよなぁ。

ストーリーに関しては…ん~全体的にどこに向かうかわからず。
本筋は岡田准一扮する青木宗左衛門の仇討ちなんだけど、実家の着服があったり加瀬亮と夏川結衣の色恋物語っぽいのがあったり長屋の“クソ話”があったり。
特に頻発する“クソ話”には下品な話が嫌いな人なら更に「なんだこりゃ?」だったかもしれない。
でもまぁ当時江戸は世界有数の衛生的な街ではあったものの、やはり糞尿問題は街中の大問題だった訳で、肥溜めに落ちたり匂いが充満するボロ長屋で暮らす人たちの生活はリアルと言えばリアルなのかも。

でも顔は売れてるけど芝居もできない吉本芸人ばっか出すのはどうなの?
お金を出してくれた吉本への忖度?
芝居ができないからイメージが固定している人間にイメージのままの役をさせるしかないんだろうけど、それって確かに安心感はあるれど安易というか監督の手抜きというか。
イメージと違う役を演じきってこそ「役者冥利」なんじゃ…なんて言っても役者じゃない人たちには無意味か。
役者である加瀬亮はなに喋ってるか聞き取りづらいし。

後半は畳みかけるように宗左衛門の仇討ちと潜伏している赤穂浪士を絡めておさえの死んだ夫を仇討ちするお芝居があったり、「あぁなるほどなぁ」とそこそこ面白く観ることができた。

総じていうと、時代劇というより社会風刺劇なのかな?

しかし上島竜兵さんの訃報の前日にこの作品を観ていたとは…。
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