記録用
ただただ笑えるコメディかと思ったら意外にも夫婦間の人間ドラマが胸にきた映画。
冒頭のパーティーシーンから私はミランダに感情移入しまくりでダニエルに肩入れできる要素ゼロ。
子供達にとっては最高のパパだろうけど夫としては?そりゃ愛想尽かされて離婚切り出されるよ…っていう。
それなのに終始 被害者みたいな顔してるダニエルに段々と腹が立ってきて、その湧いてくる感情があまりにリアルで本当にストレス感じながら観てた。
それほどロビン・ウィリアムズの表情が素晴らし過ぎた。
コメディなのに夫婦関係に注視して割りと真剣に考えながら観ちゃってた。同一人物なのにミセス・ダウトとして接してみて初めて見えてくるものがあるというのが興味深くて。
キッチンの戸棚の中がきちんと整理されてることに触れるシーンで夫は気付きもしなかったとミランダは答えていた。料理が不慣れな様子からしてもダニエルが夫としてあの家に住んでいた時にどんな生活を送っていたのかが伺える。
夫のときには分からなかったこと出来なかったことがミセス・ダウトに扮することで要領を得ていくあたりにダニエルの性分が見て取れるし、なんかずっともどかしかった。
ラストはどうせ全てが丸く収まってハッピーエンドでしょって決め付けていたけど、意外にも最後までダニエルとミランダはギクシャクした感じだったのが逆に良かった。歩み寄ろうとしても溝が埋まってないから結局距離が縮まらない生々しさ。
一度壊れた関係はそう簡単に元には戻らないし、いろんな家族の形があっていいというメッセージも含めて、ああこの映画は単純なコメディ作品ではなかったんだなと思える終わり方で好きだった。
ロビン・ウィリアムズっていつもどこか悲しげな表情なのが見ていて切なくなる。
人を笑わせようとするコメディアンの側面との差が余計に悲哀の色を濃くさせて胸にくる。
本作はそれをまざまざと感じられる映画だったような気がする。
彼が出ている映画で好きな作品は沢山あるけど、改めてもう一度ちゃんと観てみたくなった。