いんそむにあ

地獄の黙示録のいんそむにあのネタバレレビュー・内容・結末

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

「Horror...Horror...」
戦争映画と一言で言い表すにはあまりにも混沌すぎる問題作。

精神に異常をきたして、ジャングルの奥地に王国を築いた将校を暗殺する命令を受けたウィラード大尉がメコン川をのぼっていく。

脚本にタカ派で有名なジョン・ミリアスがクレジットされているところからも、本来はもっとシンプルな映画になるはずだったと思うのだが…

王国に行きつくまでの旅路だが、川を上っていくほど現実からかけ離れて、まるで精神世界に潜り込んでいく様を見ているように思わされてしまう。

混乱を極めた撮影がダイレクトに映画の内容に影響しているのは、後に発表されたコッポラの妻君の手記やドキュメンタリー『ハート・オブ・ダークネス』からも伺えるが、恐らくコッポラ自身も着地点を見定める事ができていないまま、腕力でまとめあげた結果、熱にうかされて見る悪夢のような作品になってしまったように思う。

ラストを迎えても尚、悪夢から抜けられない感覚が残るが、後年の『特別完全版』は理性が介入した分、この異常さが薄れたのは否めない。