蛇らい

地獄の黙示録の蛇らいのレビュー・感想・評価

地獄の黙示録(1979年製作の映画)
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映像美に恍惚とする。

戦争映画は、戦場のスケールを生かすためにロングショットが多い印象だが、本作はクローズアップも目立つ。映像の中に被写体が大きく写るため、戦場の全景が掴みづらいのではと思う。しかし、カメラの移動とともに、物語さえ感じさせるほどの情報量の詰まった背景が、人物のバックを次々と通り過ぎてゆくのだ。

照明を使った演出も素晴らしい。不規則に顔に当たるライティングで濃い陰影を作って顔を見えなくしたり、浮かび上がらせたりする。呼吸のように繰り返す光と影の満ち引きが神秘的とも言える。

1979年公開の他の作品と比べると、映画としての質の違いに驚かされる。残酷だが、映画はこれほどまでに優劣が付いてしまうのだなと思い知らされる。
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