Omizu

われわれは信じていたのOmizuのレビュー・感想・評価

われわれは信じていた(2010年製作の映画)
3.7
【第67回ヴェネツィア映画祭 コンペティション部門出品】
『ノスタルジア』マリオ・マルトーネ監督作品。ヴェネツィア映画祭コンペに出品され、ダヴィッド・デ・ドナテッロ賞では作品賞他全7部門を独占した。

イタリア統一の英雄の1人、ジュゼッペ・マッツィーニの運動に命を捧げたイタリア南部の3人の男たちによる4つのエピソードを通して、統一運動の知られざる歩みを紐解いていく。

マリオ・マルトーネ監督の詩的な演出はなかなか好き。『カプリ島のレボリューション』も『ノスタルジア』もかなり気に入っている。

それらの作風とは異なり、イタリア統一という壮大なテーマを3時間弱にわたって描いていく本作はかなりの力作。ダレることなく3人の視点からしっかりと物語を紡いでいく。

とはいえイタリア統一に関する最低限の知識は必須。僕もそんなに詳しいわけではないので何が何だか分からないところも多かった。

それでもある程度誰が何の目的で何をしようとしているかは分かった。トニ・セルヴィッロを始めとしたキャスト陣の熱演も素晴らしい。何より当時の風俗を再現した美術や衣装もお金がかかっていて圧倒される。

マルトーネ監督らしい詩的な演出のおかげもあり、飽きずに最後まで観ることが出来た。イタリア人ならこれだけの力作に胸を打たれることだろう。日本人の僕としてはこれくらいだけど、この題材を骨太に描いているのは評価すべきだろう。
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